日本で展開する飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」が11月29日、東京都、千葉県、埼玉県で働く配達員の基本報酬の引き下げを発表しました。
発表はたった一通のメールのみで配達員に知らされ、理不尽な報酬の仕組みの変更に驚き激怒した配達員も多いです。
今回の発表で「今後、報酬が下がるのでは?」、「もう稼げない?」と考えていた人も多いのではないでしょうか?
ウーバーイーツは「誰でもできて参入しやすい副業」としても人気が出てきているのですが、今後はどうしていけばいいのでしょうか?
こんにちは。食品開発者のYotaです。
今年、通販向けのシリーズ商品を発売したのですが、食品のEC化(オンライン化)は3%程度でまだまだ伸び代があります。しかしながら食品、料理、食材には「賞味期限」という大きなリミットがある、物流費の高騰で価格の安い食品はEC産業にうまく入れていないのが事実。
そんな中、外食サービスと提携し、家など好きな場所にいても料理を届けてくれる「ウーバーイーツ」は課題であった細かな物流を全国にいる配達員が担うことで解決したのです。
そんな素晴らしいサービスですが今回の「配達員の報酬の激減」に関してかなりもめているのです。
2019年11月29日〜
東京都、千葉県、埼玉県が対象
- 「受け取り料金」を300円→265円(約12%減)
(店で商品を受け取った際の料金) - 「受け渡し料金」を170円→125円(約26%減)
(注文者に商品を渡した時にもらえる報酬) - 距離報酬を1kmあたり150円→60円(60%減)
- ウーバー側の取り分である手数料30%→10%
これに反対し、行動を起こした「ウーバーイーツユニオン(配達員らで作った労働組合)」の執行委員長である前葉富雄さんの動画を見てもらえば、概要がより理解できるかと思います。
配達員の報酬はどのくらい下がったの?
今回の報酬の仕組みが大きく変わったことで配達員の報酬は激減しました。
今まで稼いでいた額から2〜4割近く減った人が多いと聞きます。
長距離配達をする方にとっては距離報酬が6割カットされた今回の変動のダメージは大きいです。
つまり今後は長距離の配達はメリットが少ないことになります。
✅ウーバーイーツの報酬の仕組み
報酬額= 基本料金 × ブースト + 特別キャンペーン – サービス手数料(基本料金の10%)
基本料金に「受け取り料金」、「受け渡し料金」、「距離料金」が含まれています。
すごく簡単に言うと商品を受け取った時、お客に商品を渡した時、商品を渡すまでに走った距離でそれぞれで報酬が発生していて、それをまとめて報酬金をもらいます。
「受け取り料金」とは
料理を受け取った際に発生する報酬金のことです。
配達先が2ヶ所以上あっても、受け取り場所が1箇所であれば報酬は1回分でカウントされます。
つまり「マック」で「ハッピーセット」と「てりやきマックバーガーセット」を受け取り、それぞれ別のお客に届けても商品の受け取りは1回のため受け取り報酬は1回になるということです。
「受け渡し料金」とは
お客に商品を渡した時に発生する報酬です。
お客様に渡した回数分、発生します。
受け取りが1回でも複数のお客に商品を届ければお得に稼げますね。
逆をいうと1回の商品配達の量がどんなに多くても、1人のお客にしか届けないのであればカウントは1回です。
「距離料金」とは
商品をお店で受け取った後、お客に届けるまでに走った距離が報酬に繋がります。
つまり走った距離が長いほど距離料金の報酬は増えることになります。
「ブースト」とは
お客からのオーダーが立て込んでいる時間帯など、「待機配達員<お客のオーダー」の場合に行われる報酬アップ制度です。
雨の日などが特によい例で、宅配員が少ないのにお客からのオーダーは増えると一時的に報酬倍率が上がります。
曜日や時間、地域、提携しているお店によって異なります。
例えばブーストが1.5倍に設定されているエリア、時間帯に1回の受け取り、1箇所のお客に距離1kmで配達したと考えます。
265円(受け取り料金1回分)+125円(受け渡し料金1回分)+60円(距離報酬を1kmあたり)=450円(基本料金)
ブーストが1.5倍だと450円の基本報酬に5割増しで報酬をもらえるので450円×1.5=675円
ここからサービス手数料(基本料金の10%)が引かれるため、今回の基本料金450円×10%=45円
675円−45円(サービス手数料)=630円
今回の1回の配達の場合、630円が報酬金額になります。
※ブースト倍率が異なる、複数エリアの配達依頼を受けた場合は商品を受け取ったお店が位置するエリアの倍率、時間帯に対応したブースト倍率が適用されます。
「特別キャンペーン」とは
特別なイベント時などに「特別キャンペーン」を実施することがあります。
↓こんな形で一定期間中、お店と時間をしばってキャンペーンが行われることがあります。
手数料がゼロになると、実質的に基本料金の10%が引かれなくて済むのでかなりお得ですね!
2019年11月29日〜
東京都、千葉県、埼玉県が対象
- 「受け取り料金」を300円→265円(約12%減)
(店で商品を受け取った際の料金) - 「受け渡し料金」を170円→125円(約26%減)
(注文者に商品を渡した時にもらえる報酬) - 距離報酬を1kmあたり150円→60円(60%減)
- ウーバー側の取り分である手数料30%→10%
「受け取り料金」、「受け渡し料金」、「距離料金」が大きく下がっているため、それをまとめた「基本料金」も下がっています。
ウーバー側の取り分である手数料が30%→10%になって、全体的に下がっていてウーバーイーツ側と配達員の痛み分けでお客にとって還元があってメリットがあるのかなって感じましたがそうではないみたいです。
今回の報酬変動の裏の狙いは?(個人的な推測)
基本料金が下がることで、ウーバーイーツ側の手数料も下がり、利率も下げたことで「ウーバーイーツ側の報酬も減っている」と感じてしまいました。
しかし、これは今までの報酬率を下げたようにみえて、しっかりウーバーイーツ側が収益をあげる流れになっています。
今回、手数料の利率を30%→10%に下げましたが、基本料金が下がった分がウーバーイーツ側に入る仕組みです。
つまり「基本料金を下げてウーバーイーツ側に入る利益>手数料の利率を30%→10%」という構図になっています。
例を出して考えて見ましょう。
1回の受け取り、1箇所の配達場所に2kmで配達した場合を考え同条件にて試算します。
ブーストは1倍、特別キャンペーンは一旦、考えないでやってみます。
✅今までの報酬
300円(受け取り料金)+170円(受け渡し料金)+300円(距離報酬:150円/km×2km)=770円
ここから30%の手数料をウーバーイーツ側の報酬と考えると770円×0.3=231円
ウーバーイーツ側231円の利益
✅これからの報酬(変動後)
265円(受け取り料金)+125円(受け渡し料金)+120円(距離報酬:60円/km×2km)=510円
ここから10%の手数料をウーバーイーツ側の報酬と考えると510円×0.1=51円
今回、同条件で行なっているため、差額もウーバーイーツの利益になります。
770円−510円=260円
この差額260円に10%の手数料が足されウーバーイーツの利益になります。
260円+51円=311円
ウーバーイーツ側311円の利益
つまり今回の場合でもウーバー側の利益が変動後80円分増えたことになります。
ウーバーイーツの今回の報酬変動は賃下げでなく、価格の見直しといったニュアンスで伝えられていますが、完全に配達員側の賃下げを行いウーバー側の利益を無理やり上げていることがわかります。
ブーストやキャンペーンによるインセンティブで報酬を同じ水準にするとウーバー側は言っていますが、それが行われていないもの事実。今後の方向がすごく気になります。
ウーバーイーツは今後も稼げる?
今回ウーバーイーツの報酬で大きな変動がありましたが、今後も稼ぐことは可能です。
それにウーバーイーツの良いところは手軽に空いた時間おこなえることです。
専業は難しいかもしれないですが、副業としてはすごく良い仕事です。
- 朝9時〜夜12時の間、自分の好きな時間だけ働くことができる
→アプリをオンラインにするだけで配達の依頼を受注できます。 - 服装や髪型が自由
→規制がないため配達員として最低限の清潔感があればOK! - 翌週の水曜日に報酬をもらうことができる
→先週1週間分の報酬を水曜日にもらうことができるため
比較的に報酬を早くもらうことが出来ます。
ちょっと稼ぎたいときなどすごくオススメです。 - 運動不足を解消できる
→運動目的に受注してもいいですね! - 人間関係などのストレスがない
→1人で黙々とできる仕事です。
特に都心部ではオリンピックに向けて、需要は高まる傾向にあるので、来年のオリンピックまでは安定して稼ぐことが出来そうです。
私は途中で断念してしまったのですが、友人や知人でも都内を中心に休みだけで月3〜5万円稼いでいます。
ジャスト8時間、サラリーマン。特筆すべきこともないので、混じりっけなしの純白のもやし炒めでも…
18065円、8h、時給2258円。#ウーバーイーツ pic.twitter.com/FhaYztpJJj
— 高村友也 (@tomoyatakamura) September 23, 2019
今後、ウーバーイーツで稼ぐには近場を攻めるべし!
ウーバーイーツでの稼ぎ方ですが主に2パターンあります。
①「長距離」を走って距離報酬をあげて稼ぐ方法(配達回数は少なめ)
②「短距離」の配送を何回も行い、「受け取り回数」と「受け渡し回数」を増やして稼ぐ方法
2019年11月29日〜
東京都、千葉県、埼玉県が対象
- 「受け取り料金」を300円→265円(約12%減)
(店で商品を受け取った際の料金) - 「受け渡し料金」を170円→125円(約26%減)
(注文者に商品を渡した時にもらえる報酬) - 距離報酬を1kmあたり150円→60円(60%減)
- ウーバー側の取り分である手数料30%→10%
今回特に「距離報酬」が大きく下がりました。
長距離の配達は今までの報酬と比べて大きく報酬が下がることに繋がります。
つまり今後も稼ぐためには「短距離の配達で配達回数を増やすこと」が重要になりそうです。
ウーバーイーツの報酬が下がった理由は法人化?
「日本での現地法人化を行うためのコストが一番の要因」だと表向きでは言われています。
ウーバーイーツをサービスとしている「Uber」はアメリカは西海岸にあるカリフォルニア州 サンフランシスコに本社を置く企業です。
日本での法人化を進めて行くことも発表され、「その費用を配達員から徴収しているのでは?」と配達員の中で特に考えられています。
- 親会社とは違った現地の文化を取り入れたり新規事業を推進しやすくなる
- 法人化した国の法人税が適用される
- 現地で独自の賃金体制や労働体系を構成でき、コスト的にメリットがある
日本で法人化をすることで法人税がやすくなるのかと思いましたが、少し違うみたいです。
こちらは2019年8月の世界の法人税の税率です。
Digima〜出島〜より引用
これまでトップクラスに法人税が高かったアメリカですがトランプ政権になって公約通り法人税を下げています。(35%から21%に引き下げ)
これまでの世界の法人税の水位も少し見てみます。
アメリカはトランプ大統領が就任した2017年を境に大きく法人税が下がっていることがわかります。
これまでアメリカは法人税が日本よりも高い傾向にありましたが現在では逆転しています。
東からの放流者より引用
今後、アメリカの法人税が上がることも可能性、日本の法人税も年々下がっており日本で法人化をした方がメリットがあるとの見解なのでしょうか。
正直なところ海外と比べそこまで流行っていない日本での「Uber」、今回の日本での法人化は「日本によりマッチした新たなサービスの提供」を視野に入れてなのかなと思いました。
食品、外食の宅配市場は今後も伸びていくことが高確率で予測されているため、ウーバーイーツ以外の他のサービスもどんどん出て来ることが予想されます。
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