オーブンで作るのはちょっと面倒だなぁ。。
クックパッドとかレシピって色々あるけど実際にどれがいいのかな?
電子レンジで焼き芋を作る上でのポイントも教えて欲しいな!
こういった疑問に答えます。
こんにちは。食品開発者のYotaです。
今回は電子レンジでの焼き芋の作り方を研究します。
焼き芋ってホクホクしたタイプ、ねっとりしっとりタイプの2パターンがあると思うのですが電子レンジでその両方を作ることができるのか検証してみました。
今後、レンジで焼き芋を作りたい人にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
電子レンジのワット数と時間で焼き芋の食感は変わった!
電子レンジのワット数と時間で食感の変化が出るのか実験してみました。
ちなみに上の写真は左が200Wで12分加熱、真ん中が600Wで6分加熱、右が市販の石焼き芋です。
結論から言いますと200Wで12分加熱は「しっとり、ねっとり食感」、600Wで6分加熱は「ホクホク食感」にしっかりなりました。
写真が少し暗くてわかりにくいですね。。汗
- しっとり、ねっとり(200Wで12分加熱)
→Rakutenレシピ レンジで簡単!本格焼き芋♪ レシピ・作り方 - ホクホク(600Wで6分加熱)
→cookpad 電子レンジで!あまい焼き芋
電子レンジでの焼き芋の作り方
電子レンジで作る「焼き芋」ですがすごく簡単です。
- サツマイモを100〜150gくらいにカット
- よく濡らしたリードペーパーで巻く
→二重にすると良いです。 - ラップで包む
- レンジで加熱
→5分くらい蒸らすと落ち着きます。
画像とともに順々に説明していきます!
まずは必要なものから。
サツマイモとリードペーパーとラップのみで大丈夫です。
いたってシンプルです。
今回使うのは「紅あずま」です。
紅あずまは焼き芋に使う品種としては王道で、蒸し芋にも向くホクホクとねっとりのバランスが良いサツマイモの品種です。
1本500gもあったのでとりあえずヘタを取り、3等分します。(1個150gくらい)
そのあとはしっかりと濡らしたリードペーパーで巻いていきます。
電子レンジって安全?危険?家族や子供への影響があるか不安な方へで電子レンジでものが温まる仕組みとしては電子レンジの電磁波であるマイクロ波が食品中の水分子を反発させ、高速で摩擦を起こすことで熱が発生し食品が温まると話しました。
今回の場合、しっかり濡らしたリードペーパーを巻くことで、水分が反発し熱が生まれやすくなるので火の通りが早くなります。
そのあとは周りにラップを巻き、お皿に乗せ電子レンジの中央部に置いて加熱します。
出来立ては熱々なので5分くらい蒸らすと落ち着いて食べることが出来ます。
電子レンジで作った焼き芋と市販の石焼き芋を比較!
こちらは先ほどの電子レンジ品と市販品をカットしたものです。
画像で少しわかりにくく申し訳ないですが、電子レンジの加熱温度や時間によって本当に食感や甘みが異なることがわかりました。
200Wで12分加熱品 | 600Wで6分加熱品 | 市販品(石焼き芋) | |
ホクホク感 | ▲ | ⭕️ | ✖️ |
ねっとり感 | ◯ | ✖️ | ⭕️ |
甘さ | ◯ | ▲ | ⭕️ |
600Wで6分加熱品はホクホクしていたのですが甘みが少し足らず、200Wで12分加熱品はバランスが取れていて美味しかったです。
個人的な感想にはなってしまいますが、、ただワット数や時間によって食感や甘みが異なることがわかりました。
ホクホク好きの方は電子レンジの焼き芋は美味しいと感じると思いますが、「しっとり、ねっとり感」が好きな方にとっては比較してしまうと市販の石焼きいもの方が良いかもしれないですね。。
食感の変化はデンプンの分解のされ方で変わっている?
焼き芋の加熱条件による違いはサツマイモのデンプンの分解のされ方で変わってきています。
サツマイモのデンプンは加熱され糊化(のり状に変化)するのですがサツマイモ自身に含まれる「β-アミラーゼ」という消化酵素の働きによってデンプンが分解され「麦芽糖」という甘み成分に変化します。
Rettyより引用
甘みが増すボーダーラインが70℃と言われ、この温度でじっくり加熱することで甘みがましてねっとりした焼き芋に変わります。
200Wでの加熱はこの温度に近いと思われ、長時間加熱することでデンプンが麦芽糖に変化するので甘みが増します。
品種にもよってしまいますが70℃前後が「β-アミラーゼ」にとってギリギリ失活しない温度帯で、デンプンは加熱され糊化温度も70℃前後と言われております。
つまり、600Wで6分加熱品のように高温で加熱してしまうと「β-アミラーゼ」が失活し働けなくなり、甘み成分である麦芽糖に分解することも出来ないことから甘みの少ない、しっとりしていないホクホクの焼き芋が出来上がります。
電子レンジ以外でも高温で短時間加熱することでホクホクの焼き芋は作ることは可能です。
市販品のものは低温で長時間加熱しているため、デンプンの多くが麦芽糖に分解されるので甘く、ねっとりした焼き芋になると言うことですね!
焼き芋は冷凍庫保存は可能?どのくらいまでもつ?
今回作った焼き芋に限らず、市販品でも冷凍保存することは可能です。
以前、冷凍焼けした食材は食べても安全?食べちゃダメかを解説!で解説しましたがしっかりとラップで多い、空気と触れないようにしないとすぐに冷凍焼けしてしまいます。
冷凍焼けした焼き芋は食べられないことはないですが、食感と見た目、風味飛びが出てきてしまうので食べることはやめた方がいいでしょう。
しかりと空気を遮断するようにラップを巻いて、ジップロック等に入れて保管しても1ヶ月までを目安に早めに食べることをオススメします。
ただ、冷凍保管する過程で焼き芋内の糊化したデンプン質が老化し、「レジスタントスターチ」と言う消化されにくいデンプン質に変わっていきます。
その「レジスタントスターチ」には腸内環境を改善し、排泄を促す働きがありますのでダイエット効果や便秘解消効果、体調を整える働きがあるのでオススメの食べ方です。
もちろん冷蔵庫で一晩じっくり冷やしても「レジスタントスターチ」に変化しますので「冷やすことで焼き芋がパワーアップする」と覚えておいてください。
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